真のポジティブアクション法の実現を目指すネットワーク

 私たち「真のポジティブアクション法の実現を目指すネットワーク」(通称ポジネット)は、38人の呼びかけ人からなるネットワークです。2014年秋に提出されたいわゆる「女性の活躍法案」をより実効性のあるものにすべく、活動を開始しましたが、衆議院解散によるその廃案後(同法案は、2015年8月28日に成立)、この法案だけでなく、日本のジェンダー平等に関する問題について、より広範に取り組むことを決め、ポジネットとして再スタートしています。

 日々の活動や関連情報の提供はFacebookページで行います。ウェブサイトでは、これまで私たちが公表してきた文書等を掲示し、ダウンロードしていただけるようにします。(2015.5.26、2016.2.14改)


これからの活動

2017年

これまでの活動

2017年

2017年4月28日(金)11:00〜12:30@衆議院第一議員会館 多目的ホール
 「働き方改革ならこっち!〜女性も男性も人間らしく働ける社会を」4.28院内集会を開催しました。

プログラム
1.「日本経済の現状をどう把握するか」 大沢真理(東京大学社会科学研究所)
2.「生活時間の確保と働く時間の選択権」 竹信三恵子(和光大学教員・ジャーナリスト)
3.「格差・貧困問題を解決できる『同一価値労働同一賃金』へ」 大槻奈巳(聖心女子大学)
4.省庁からの発言
5.報告書について
6.フロアからの発言
7.集会アピール

「働き方改革ならこっち!〜女性も男性も人間らしく働ける社会を」4.28院内集会アピール


 私たち、「働き方改革ならこっち!〜女性も男性も人間らしく働ける社会を」4.28集会の参加者は、ジェンダー平等実現が、日本社会の抱える問題の解決にとって根本的に重要であるとする観点から、以下のように訴えます。

 2017年3月28日にとりまとめられた「働き方改革実行計画」は、冒頭、「働く人の視点に立った働き方改革の意義」を述べ、この改革が、「働く人の視点に立った」ものであることを強調しています。しかしながら、この「働き方改革」は、「日本経済再生に向けて、最大のチャレンジ」であるともされています。求められているのは「投資やイノベーションの促進を通じた付加価値生産性の向上と労働参加率の向上」であり、「働き方改革こそが、労働生産性を改善するための最良の手段である」と結論づけられているのです。

 しかし、労働生産性は、第一に経営側の問題です。であるならば、それを強調するこの実行計画は、実のところ、「働く人の視点」に立つというよりは、「経営側の視点」を第一とするものです。その結果、働く人にとって重要なジェンダー平等の実現は、この「働き方改革」の埒外に置かれ、シングルマザーや単身女性など、貧困や生活困難に陥っている女性には無縁のものとなっています。

 例えば「実行計画」では、「同一労働同一賃金」の実現のため、正規と非正規の間の「不合理な待遇差の解消」をめざすとし、必要な法改正の基となる「ガイドライン案」では、諸手当や福利厚生は同一にすべきであり、基本給や諸手当の格差の理由として、「将来の役割期待の違い」といった説明では足りないとしています。しかしそれ以外は、現行法の枠組みを超えるものではなく、「正規労働者と非正規雇用労働者の賃金差について、欧州諸国に遜色のない水準」(ニッポン一億総活躍プラン)は望むべくもありません。私たちは、均等・均衡待遇を実現するために、職務評価を行い「同一価値労働同一賃金原則」に基づいて賃金を決めることを提案します。

 また、今回の「実行計画」で、労働時間限度について大臣告示から法律に格上げ・罰則設置されたのは月間・年間労働時間についてのみです。ジェンダー平等の実現に欠かせないワークライフバランスの観点からは、同大臣告示が週15時間以上を違反としている点を法律化することこそが重要であるのに、「実行計画」はこれを行わないばかりか、過労死を招く80から100時間もの残業時間の容認、働く人々が反対し続けてきた「高度プロフェッショナル制度の創設や企画業務型裁量労働制の見直し」などの法改正を盛り込み、ワークライフバランスの実現とは逆行する策を実現しようとしています。

 「働く人の視点」に立つならば、ケアや家事の保障などの生活の価値が尊重され、女性の人権、平等が保障されることこそ重要です。ILOの提唱する「ディーセント・ワーク」は、「権利、社会保障、社会対話が確保されていて、自由と平等が保障され、働く人々の生活が安定する、人間としての尊厳を保てる生産的な仕事のこと」とされています。異様な長時間労働、正規非正規間、男女間の大きな賃金格差を生む日本の「働き方」は、ジェンダー平等視点を欠くものでした。「ディーセント・ワーク」を実現できる「真の働き方改革」が、今、求められています。

      2017年4月28日

                   「働き方改革ならこっち!〜女性も男性も人間らしく働ける社会を」4.28院内集会参加者一同

2017年3月31日(金) 下記のような「働き方改革実行計画」に対する緊急コメントを公表しました。


「働き方改革実行計画」への緊急コメント

 2017年3月28日夕刻、「働き方改革実行計画」がとりまとめられた。私たち「真のポジティブアクション法の実現を目指すネットワーク」は、働く人のジェンダー平等実現が、日本社会の抱える問題の解決にとって根本的に重要であるとする観点から、この計画について、「緊急コメント」として、以下の通り、問題を指摘する。

「1.働く人の視点に立った働き方改革の意義」について

 この「働き方改革実行計画」は、冒頭、「1.働く人の視点に立った働き方改革の意義」を述べ、この改革が、「働く人の視点に立った」ものであることを強調している。「(2)今後の取り組みの基本的考え方」では、「働く人の視点に立って、労働制度の抜本改革を行い、企業文化や風土を変えようとするもの」とし、その改革の目指すところとして「働く方一人ひとりが、より良い将来の展望を持ち得るようにすること」を掲げているのである。
 しかしながら、この「働き方改革」は、「日本経済再生に向けて、最大のチャレンジ」であるともされている。求められているのは「投資やイノベーションの促進を通じた付加価値生産性の向上と労働参加率の向上」である。曰く、正規非正規の処遇格差を埋めていけば労働生産性が向上する、長時間労働を是正すれば労働生産性向上につながる、柔軟な労働市場や企業慣行を確立すれば生産性の向上につながるなどと繰り返され、「働き方改革こそが、労働生産性を改善するための最良の手段である」と結論づけられる。
 しかし、労働生産性は、第一に経営側の問題である。その向上のための最良の手段が働き方改革であるとするこの実行計画は、実のところ、「働く人の視点」に立つというよりは、「経営側の視点」を第一とするものなのである。その結果、働く人にとって重要なジェンダー平等の実現は、この「働き方改革」の埒外に置かれている。
 このような見方から、特に「2.同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善」「4.罰則付き時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是正」を取り上げ、それぞれ、問題を指摘する。

「2.同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善」について

 現在、働く人の4割となっている非正規雇用の70%が女性であり、その意味で、非正規雇用の処遇改善は、ジェンダー平等、殊に女性の貧困問題解決のための最重要課題と位置づけられる。「実行計画」でも、非正規雇用とシングルマザーや単身女性の貧困問題との関係を述べており、この点認識されている。しかし、具体的な内容は、以下に見るように、非正規雇用者の処遇を顕著に改善するものではないことから、非正規雇用の女性の貧困問題の解決策となりえるものではない。
 「実行計画」では、「同一労働同一賃金」の実現のため、正規と非正規の間の「不合理な待遇差の解消」を目指すとされている。必要な法改正の基となる「ガイドライン案」は、諸手当や福利厚生については、同一にすべきものとしている点、また、基本給や諸手当の格差の理由として、「将来の役割期待の違い」といった主観的・抽象的説明では足りないとしている点は評価できる。しかし、それ以外に関しては、労働契約法20条や、パートタイム労働法8条など、現行法の枠組みを超えるものではなく、「同一労働同一賃金」の実現というには程遠い。なお、労働契約法20条違反として正規非正規の賃金格差について争われたメトロコマース裁判東京地裁判決(2017年3月23日)は、比較対象を正社員全員とし、また手当の格差も「有為な人材確保」のためとするなど格差を不合理なものと認めておらず、この「ガイドライン案」が実効性を持たないことを予め明らかにしたというべきである。
 また、「実行計画」では、非正規労働者についても、その雇い入れ後に、比較対象となる正社員との待遇差に関する説明義務を課するとしているが、それは、非正規労働者からの「求めに応じて」の義務である。すなわち、契約更新を求める非正規労働者が説明を求めること自体の困難さへの目配りがなく、実効性に欠ける。
 「再チャレンジ可能な社会をつくるためにも」として「正規化、非正規かといった雇用の形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保する。そして、同一労働同一賃金の実現に踏み込む」とした「ニッポン一億総活躍プラン」においては、「正規労働者と非正規労働者の賃金差について、欧州諸国に遜色のない水準を目指す」とされたが、上記のような施策によってそれが実現できるのかは、まことに疑わしいと言わねばならない。
 私たちは、ILOも提唱する「同一価値労働同一賃金原則」の実現を主張してきた。「ガイドライン案」では、「問題とならない例」が列挙されているが、「同一価値労働同一賃金原則」に基づく職務評価(知識・技能、責任、負担、労働環境の4大ファクターとサブファクターに基づいて職務の価値を測定する「要素得点法」の実施)により、職務内容を点数化し、その点数に応じた支給額とすれば、均等・均衡待遇を合理的に実現することができる。

「4.罰則付き時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是正」について

 今回、「実行計画」は、時間外労働の限度を大臣告示から法律に格上げし、月45時間、年間360時間として違反には罰則を課すとした。政権は、これを「日本の働き方を変える改革にとって、歴史的な一歩」と自賛しているものの、ワークライフバランスの観点がみられない。現行の告示(平成21年労働省告示第316号)に記載されている労働時間の延長限度週15時間違反への罰則規定は盛り込まれなかった。ワークライフバランス、健康保護の観点からは、休日労働も含め、最低限「延長限度週15時間、月45時間、年間360時間」などと明記し、罰則を定めることが必要である。また、同様に、インターバル規制についても義務づけるべきである。
 さらに、「全国過労死を考える家族の会」や労働組合、法律家団体の強い反対にもかかわらず、今回年間720時間(休日労働は含まない)までの特例が認められ、2-6か月の平均で月80時間以内、単月では100時間未満とされた。これはまさに過労死を容認するものであり、この基準が法定化されれば、これまで過労死・自死として裁判において労災を認められ損害賠償裁判で補償されていたケースにおいても、法定内であるとして企業を免責することになりかねない。さらには現行の労災認定基準の後退も懸念される。
 時間外労働の上限規制基準の設定に当たってワークライフバランスの観点が重要であるのは、長時間労働が、日本社会におけるジェンダー平等実現の阻害要因となっているからである。今回の基準は、ワークライフバランスや女性の働きやすさ(ひいては男性の働きやすさ)を度外視したものと言わざるをえない。
 なお、この節末尾に、「意欲と能力ある労働者の自己実現の支援」として、「高度プロフェッショナル制度の創設や企画業務型裁量労働制の見直しなどの多様で柔軟な働き方の実現に関する法改正」が盛りこまれている。これは、労基法改正案として国会に上程されながら、労働者側の強い反対にあって審議入りできずにいるものである。こうした項目を「働く人の視点に立った働き方改革」と題する政策に盛りこむことは、欺瞞以外の何物でもなく、働く人にとっては有害である。


2017年3月31日

真のポジティブアクション法の実現を目指すネットワーク(ポジネット)
https://www.facebook.com/positiveactionlaw/
http://genderequalityposinet.web.fc2.com/

呼びかけ人
相澤美智子、赤石千衣子、浅倉むつ子、打越さく良、大崎麻子、大沢真理、大槻奈巳、大脇雅子、戒能民江、金井郁、禿あや美、亀永能布子、鴨桃代、近藤恵子、酒井和子、桜井陽子、佐藤香、澁谷知美、竹信三恵子、柘植あづみ、角田由紀子、永井よし子、中野麻美、中道仁美、中村ひろ子、丹羽雅代、野崎光枝、林陽子、広木道子、松本惟子、三浦まり、皆川満寿美、村尾祐美子、目黒依子、森ます美、屋嘉比ふみ子、湯澤直美、柚木康子(2015.7.16現在。五十音順)

2016年

2016年4月28日(木)14:00〜16:00@衆議院第1議員会館地下1階大会議室
院内集会「女性活躍推進法で本当に『活躍』できる?!〜履行状況をモニタする〜」
チラシはこちらです。

当日配布資料
「女性活躍推進法の定着に向けた連合の取り組み」 連合総合男女平等局長 井上 久美枝
「「女性活躍推進法」を使い倒そう!ーそのために知ってほしいこと」 早稲田大学他非常勤講師 皆川満寿美(ポジネット呼びかけ人)

2016年3月14日(月)18:00〜19:50@衆議院第1議員会館多目的ホール
院内集会「実効ある同一《価値》労働同一賃金制度を確立しよう!」
チラシはこちらです。

当日配布資料
「非正規労働者の均等待遇保障ー職務に応じた待遇確保の課題」 中野麻美 弁護士(ポジネット呼びかけ人)
「公平・公正な賃金の国際基準 『同一価値労働同一賃金』」 森ます美 昭和女子大学教授(ポジネット呼びかけ人)
「小売業の正社員とパートタイマーの仕事の比較ー同一価値労働同一賃金原則にのっとった職務分析・職務評価調査の結果より」 
禿(かむろ)あや美 跡見学園女子大学准教授(ポジネット呼びかけ人)
「同一価値労働同一賃金原則にもとづく介護職の是正賃金」 大槻奈巳 聖心女子大学教授(ポジネット呼びかけ人)
「「仕事と生活の両立」と「待遇の格差解消」に関するアンケートへの回答より」(2016.3.17「維新の党」からの回答を加えた版)
回答者(政党);自民党、民主党、維新の党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたち
回答者(厚生労働委員会委員);郡和子議員(衆議院・民主)、西村ちなみ議員(衆議院・民主)、西村まさみ議員(参議院・民主)、高橋千鶴子議員(衆議院・共産)、小池晃議員(参議院・共産)、堀内照文議員(衆議院・共産)、福島みずほ議員(参議院・社民)

*このアンケートは、政党(自民党、公明党、民主党、維新の党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたち、日本を元気にする会、日本のこころを大切にする党)、衆参両院の厚生労働委員会委員に送付し、回答を得たものです。協力いただきました政党、国会議員のみなさまに感謝申し上げます。また、集会開催後、維新の党からの回答を付加していますが、事前にご送付頂いていたところ、こちらで受け取れていなかったことが判明し、改めてお送り頂いたものです。維新の党には、この件でのご対応につき、感謝申し上げます。

2016年2月25日(木)11:30〜13:30@衆議院第2議員会館多目的会議室
院内集会「安心して働きながら介護も子育てもできるように〜育児介護休業法の実効性ある改正を」
チラシはこちらです。

当日配布資料
「育児・介護をめぐる労働者の現状」 連合総合男女平等局
「育児・介護休業法の課題」  中野麻美 弁護士(ポジネット呼びかけ人)

2015年

2015年9月10日(木) 第4次男女共同参画基本計画「基本的な考え方(素案)」パブリックコメント勉強会(その3)@東洋大学
「第4次男女共同参画基本計画策定にあたっての基本的な考え方(素案)」パブリックコメントのための資料

2015年9月02日(水) 第4次男女共同参画基本計画「基本的な考え方(素案)」パブリックコメント勉強会(その2)@上智大学

2015年8月25日(火) 第4次男女共同参画基本計画「基本的な考え方(素案)」パブリックコメント勉強会(その1)@立教大学

2015年8月05日(水) 現在参議院で審議中の「女性活躍新法」についてのコメントを公表(8月6日一部修正)

2015年6月26日(金) 「労働者派遣法見直し法案の採決に関するコメント」などについて、厚生労働省記者クラブで会見(朝日新聞6月27付朝刊13版までに記事掲載)。

2015年6月22日(月) 「労働者派遣法見直し法案の採決に関するコメント」を公表

2015年6月18日(木) 「怒れる女子@国会議員会館」として、2つの院内集会を開催
  14:15〜16:00 「怒れる女子の国会レク」
  16:30〜19:50 「怒れる女子のリレートーク」

2015年5月26日(火) 「労働者派遣法「改正」法案に関する要請」を各政党に送付

2015年3月24日(金) 「第4次男女共同参画基本計画についての要望」を男女共同参画会議計画策定調査会会長宛に送付

2015年3月6日(金)17:30〜20:45頃まで 勉強会「第4次男女共同参画基本計画策定について」開催 早稲田大学9号館第一会議室

2015年2月26日(木)18:00〜19:45 院内勉強会「第4次男女共同参画基本計画の行方は?」開催 参議院議員会館

2015年2月19日(木)18:00〜19:45 院内勉強会「女性活躍予算1000億円増の9000億円はどんな内容?」開催 参議院議員会館

2014年

2014年11月21日 「衆議院解散・『女性の活躍法』廃案に当たっての私たちの意見」公表

2014年10月31日(金)18:30〜19:50 院内勉強会「『女性の活躍法』を真の『ポジティブアクション法』に!」開催 衆議院第一議院会館

2014年10月1日 「女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築について(報告)についてのコメント」公表

2014年9月29日(月)18:15〜19:45 院内勉強会「これでいいの?! 『女性の活躍法』」開催 衆議院第一議院会館

2014年9月10日(水)13:00〜15:00 院内勉強会「『女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築』って何?」開催 衆議院第一議院会館

呼びかけ人

相澤美智子、赤石千衣子、浅倉むつ子、打越さく良、大崎麻子、大沢真理、大槻奈巳、大脇雅子、戒能民江、金井郁、禿あや美、亀永能布子、鴨桃代、近藤恵子、酒井和子、桜井陽子、佐藤香、澁谷知美、竹信三恵子、柘植あづみ、角田由紀子、永井よし子、中野麻美、中道仁美、中村ひろ子、丹羽雅代、野崎光枝、林陽子、広木道子、松本惟子、三浦まり、皆川満寿美、村尾祐美子、目黒依子、森ます美、屋嘉比ふみ子、湯澤直美、柚木康子(2015.7.16現在。五十音順)
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